2004 平成16年度 事業報告 |
1) 文化事業プロジェクト |
4/1〜3/31 |
安曇村営乗鞍湯けむり館休憩室一部にて、ネパール工芸物産展示販売を開催。 |
4/1〜3/31 |
「ホテルおたりや」フロント前にて、ネパール工芸物産展示販売を開催。 |
4/25〜11/15 |
安曇村営上高地アルペンホテル、徳沢ロッジにて、仮説上高地食堂にてネパール工芸物産展示、販売を開催。 |
5/1〜5 |
上高地五千尺ロッジにて、会員が交代で泊まり物産展示販売を行う。 |
5/23〜25 |
岩橋崇志山岳写真教室、五千尺ロッヂ泊で上高地・明神で10名参加。 |
6/7 |
松本市山辺中学校ドリーム大学入学式に講師として鈴木理事長出席。 |
7/6 |
岩橋崇志山岳写真教室「講評会」を東京の「フォトアート銀座」で開催。 |
8/10〜27 |
松本市八十二銀行笹賀支店にて「ネパール・ヒマラヤ写真展」開催。MHCネパール文化紀行からの写真大小20点余、小冊子が展示される。 |
9/6 |
「白銀のヒマラヤとネパールの暮らし」と題し、山辺中学校ドリーム大学で鈴木理事長講演。 |
9/13 |
「ヒマラヤの学校に学生寮が建つ」と題し、山辺中学校ドリーム大学で鈴木理事長講演。 |
10/13〜26 |
松本市役所3階連絡通路にて松カ姉妹提携15周年記念事業として「MHCネパール文化紀行」のパネル写真35点が展示。松本市開催にMHCが全面的に協力。 |
10/16〜18 |
内田良平山岳写真教室「新雪の穂高と紅葉の上高地」上高地〜徳沢で14名参加 |
11/2〜8 |
上高地五千尺ロッジにて、物産展示販売を行う。 |
11/9〜14 |
松本市中央公民館Mウィング2F展示ギャラリーにて松カ姉妹提携15周年記念事業として「MHCネパール文化紀行」のパネル写真35点、松カ姉妹提携記念登山ヒマラヤ・アイランドピーク登山の写真と2004年度MHC国際協力の写真展示会等を松本市カトマンズ市姉妹提携委員会主催、MHC共催で開催。
|
11/21 |
諏訪市国際交流委員会からの要請で、茅野市ちの地区センターにおいて、ネパールの文化、ヒマラヤの大自然のビデオ映像を使用し鈴木理事長講演 |
2/24〜3/1 |
井上デパート7階催事場にて-松本ヒマラヤ友好会15周年記念≪ヒマラヤの青い空とカトマンズ≫と≪ヒマラヤ・アイランドピーク登山報告写真展≫を開催。約800名の来場者あり。 |
2/26 |
ホテルブエナビスタ3階鳳凰の間にて、「MHC創立15周年記念式典」を、会員並びに来賓者約100名を招いて開催。先立つ午後2時より、内田良平山岳写真教室「講評会」が開催される。 |
4/1〜3/31 |
MHC松本本部事務所にて≪小さなお買い物で大きな国際協力≫ をテーマに随時ネパール工芸物産を展示、販売中。 |
|
2) 山岳スポーツ振興事業プロジェクト |
@ |
松本市カトマンズ市姉妹提携15周年記念事業 クーンブヒマール・アイランドピーク(6160m)登山 4月24日(土)〜5月13日(木)
後援 長野県・松本市・松本市教育委員会・毎日新聞松本支局 |
松本からは8人が参加、ネパールでは、シェルパ32人、ゾッキョ4頭が参加して実施。サーダーのアンギャルブらクライミングシェルパ3名と鈴木雅則隊長、山田美知子さん、大平信一さん、渡辺博さんが登頂に成功。高橋正幸さんは、6050m付近で待機。下山時に5人が合流して帰還。松岡いつ子さん、金子茂夫さん、中川善雄さんは、体調を考慮し5050mのベースキャンプまでの登攀となる。
|
|
|
5/3
ベースキャンプを月明かりを頼りにAM1:00出発。サーダー1名、クライミング・シェルパ2名、鈴木隊長、渡辺博、大平信一、高橋正幸、山田美知子、計8名でアタック開始。登リ続ける体が凍てつくように寒い。AM4:00夜がしらみ、次第に周囲の白い先峰にオレンジ色の朝陽が輝き始める。
AM6:00頃、氷雪した岩場を登りつめ、5850mあたりで紅茶を飲んで一服。ハーネス、アイゼンを装着し、クレパスを避けながら雪の斜面を登る。5950mから約70度の雪壁に50mのフィックスザイル5本を頼りに頂上を目指す。空気が薄い所での作業は、なかなか困難である。 ジュマーを使用し、まず青氷の張る100mの雪壁を登り、6050mからは雪のナイフリッジを進む。更に70度を超える切れ落ちた雪壁を40mほど登り、ナイフリッジに登り出て45度の斜面を50m登りつめるとそこが頂上であった。
AM9:50アイランドピーク(6160m)登頂成功。サーダー1名、クライミング・シェルパ2名、鈴木隊長、渡辺博、大平信一、山田美知子の計7名。高橋隊員は6050mのナイフリッジで待機する事となった。天候にも恵まれ、白く切れ立ったまさに神々の峰々が、連なりあって目の前に迫って見える。ローツェ(8516m)、マカルー(8463m)、チョー・オユー(8201m)の巨人も手の届くほど近くに聳えていた。 頂上に1時間ほど留まり、下山を開始する。頂上からの下りは、懸垂下降でクレパスに落ちないように、また器具が外れないように注意しながら200mを一気に滑り降りる。5850mで全員合流し、装備を取り外し、身軽になって岩場を慎重に降りる。全員疲労が濃く、20分〜30分歩いては一休みを繰り返す。
PM4:00、ようやく5050mのベースキャンプ到着、テントに入り込み、疲れた体を休める。
|
|
|
アイランド・ピークは、難しい登攀を要するピークの一つであり、このシーズン5団体目の登頂成功であった。エベレスト(8848m)、ローツェ(8516m)が西隣に聳え、東にマカルー(8456m)を間近に望む登攀は、松カ姉妹提携15周年記念にふさわしい壮大な登山であった。
帰路は、MHC国際協力事業のクムジュン校学生寮を視察し、またカトマンズ市では、市長表敬訪問などの姉妹都市交流の責任も果たす。 |
|
A |
市民参加による「2004MHC登山講習」 2004年5月〜2005年3月 共催 安曇村 後援 長野県教育委員会 松本市教育委員会 笹川スポーツ財団 マスコミ各社 |
目的 |
長野県の美しい山岳を舞台に、山岳スポーツを振興する事業として、青少年から中高年までの幅広い年齢層にまたがる市民の参加を募り、登山の初心者から愛好家まで、レベルに応じた登山技術指導を行なう「2004MHC登山講習」を企画。
現在、北アルプス等を初めとする日本の山々では、一頃の中高年登山ブームから、若人の関心を集める幅広い年齢層による市民登山の時代が到来している。
この市民登山の時代を迎え、山の装備の選び方から山の登り方、レスキューの方法、そして山に咲く高山植物や、山岳撮影のテクニックなどを優れたインストラクターより学び、「安全でより楽しい登山」とする学習の場が求められている。
特に若い年齢層による登山も増えており、山岳遭難を未然に防ぐことも願い、「安全でより楽しい市民登山」とするために、系統的に登山技術を習得し、山岳の知識と登山の楽しさを学べる市民参加による「2004MHC登山講習」を開講する
|
事業内容 |
市民参加を募り、特に次代を担う青少年の参加を呼びかけ、北アルプス等で年間を通じ、月1〜3回程度の割で実施し、美しい山岳を舞台に登山を通じ、体力、精神力を身につけてもらう。又、ヒマラヤ高所登山経験豊かなインストラクターを招き、春、夏、秋、冬の登山での登り方と用具の使い方そして心得、また酸素希薄な高所での初歩的な医学や栄養学を学ぶ。
受講者は優れた登山技術を習得することで、あらためて安全登山についての認識を深め、山岳に対する豊富な知識と経験を積んだ愛好家として、又登山パーティーのリーダーとして、養成していく。
この企画を実施する事で、長野県の美しい山岳があらためて認識され、幅広い年齢層による市民の登山が「安全でより楽しい登山」となる事を念願している。
|
登山講習説明会 |
@ |
「2004MHC登山講習」開講式と講習説明会を乗鞍観光センター・銀山荘で開催。(5/16) |
A |
「カモシカスポーツ」松本店にて「秋山の楽しみと心得」「登山用具と衣類の選び方」の説明会を開催。30名が参加。(9/15) |
B |
「カモシカスポーツ」松本店にて「雪山登山と登山用具について」の説明会を開催。14名が参加。(11/25 ) |
C |
井上デパート7階催事場にて「初心者雪山登山と用具の使い方」(2/27) |
|
講習場所、期間 |
|
北アルプス |
@ |
槍ヶ岳(5.29〜5.30) |
A |
焼岳(6.26〜6.27) |
B |
乗鞍岳(7.3〜7.4) |
C |
燕・常念岳縦走(7.17〜7.19) |
D |
西穂高岳(7.31〜8.1) |
E |
槍・穂高岳縦走(8.13〜8.16) |
F |
穂高岳涸沢・奥又白 (9.25〜9.26) |
G |
常念岳(10.30〜10.31) |
H |
上高地(1.29〜1.30) |
I |
岩橋崇至山岳写真教室(5.23〜5.25) |
J |
内田良平山岳写真教室(10.16〜10.18) |
|
八ヶ岳 |
K |
赤岳〜権現岳 (9.11〜9.12) |
L |
硫黄岳(3.12〜3.13) |
|
富士山 |
M |
富士宮口ルート(8.28〜8.29) |
|
|
参加者総数 155名(2004/5〜2005/3) |
|
講師・スタッフ (敬称略) |
鈴木雅則 |
MHC理事長、登山講習の責任者、ヒマラヤの5400m〜6500mのピーク登頂者76名以上を隊長としてリード。 |
内田良平 |
日本を代表する山岳写真家の一人、1972年神奈川県山岳連盟のヒマラヤ・ローツェ(8516m)の登山隊長を努める。 |
岩橋崇至 |
日本を代表する山岳写真家の一人、豊富な海外登山経験有り、 |
山岳委員、運営アルバイト |
MHC会員延べ37名 |
|
応募方法
過去の参加者へのD・M、会報、ホームページ、新聞、山岳雑誌、ラジオ、公民館掲示、等。 |
マスコミ取材
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、中日新聞、信濃毎日新聞、市民タイムス、長野日報、週間まつもと、タウン情報、FM長野、テレビ松本ケーブルビジョン等 |
事業の効果
幅広い年齢層による市民登山の時代に対応した「安全でより楽しい市民登山」とするための登山講習が出来た。40〜50歳代の市民はもちろん、中学生から20歳代男女の登山講習への参加者の姿が見られるようになった。受講者は、優れたインストラクターにより山岳の知識と登山の楽しさ、系統的な登山技術の習得について個人差はあるが成果が上がったと思われる。
山岳スポーツの初歩的な医学、栄養学の知識も得て、経験も積んだリーダーの養成に役立った。また経験のある講師、山岳委員、運営アルバイトを依頼する事が出来、安全な登山講習が出来た。
そして、2004MHC登山講習事業を成功裏に実施した事で、長野県の美しい山岳があらためて認識された事だろう。
|
事業の成果
ホームページや新聞、ラジオ等マスコミを通じ広く募集し、また地元公民館事業としても理解と賛同を得て、参加を募集した。しかし、青少年を含め一般市民参加の応募をさらに増やす事を考えると、積極的に登山講習説明会開催を計画していきたい。その為、公民館の他、役所、各学校、青少年の各団体等へ、個別的に登山講習の趣旨を説明する機会を多く持つことが必要と思われる。
|
3) 国際協力推進プロジェクト |
@ |
国際協力事業基金の積立 平成17年3月31日 |
|
寄付金、講演料、文化事業、物産展示販売の収益そしてMHC登山講習の参加費の一部が国際協力事業基金に積立てられます。 |
|
|
A |
カトマンズのカレッジへ通学するクムジュン校を卒業した勤勉学生への奨学金及び奨学金事務局運営費支給 |
|
奨学金事務局長 パサン・ダワ・シェルパ
|
|
☆ 9期生(2004年9月〜2005年8月)・・詳細は奨学生名簿参照 |
|
1 |
Mr Sonam Phinjo Sherpa- Subject :- Huminities
(ソナムフィンジョ・シェルパ) Extra course :- He is taking also Thanka Painting course |
2 |
Mr Pasang Tshering Sherpa- Subject :- Huminities
(パサンツェリン・シェルパ) Extra course :- He is taking also Thanka Painting course |
3 |
Mr Tashi Tshering Sherpa- Subject :- Commerce , Hotel Management course
(タシツェリン・シェルパ) |
4 |
Mr Pema sherpa - completed certificate 2 years course and
(ペマ・シェルパ) studying diploma first year |
5 |
Mr Tshering Dorje Sherpa - Completed certificate 2 years course and
(ツェリン・ダルジ・シェルパ) studying diploma first year |
6 |
Miss Tshering Yutin Sherpa - Studying Diploma second year
(ツェリンユティン・シェルパ) |
7 |
Mr Ang dawa Sherpa - Studying certificate second year
(アンダワ・シェルパ) |
8 |
Mr Mingma Tshering Sherpa -Studying certificate second year
(ミグマツェリン・シェルパ) |
9 |
Mr Ang Nuru Sherpa -Studying certificate second year
(アンヌル・シェルパ) |
10 |
Miss Tshering Ongmu Sherpa - Studying certificate second year
(ツェリンオンム・シェルパ)
|
|
|
* |
奨学金合計 10 学生X Rs 1500/1ヶ月 X 12 ヶ月= Rs 180,000
+ MHCKT奨学金事務局運営費Rs30,000(US$400)=約310,080円((2004.7レート)
カトマンズ支部大河原支部長より、パサンダワ事務局長へ、9月2日支給されました。
奨学生には、1ヶ月毎、事務局長が面談をして1人1人に手渡されます |
* |
合計10名が、奨学金Rs1,500(2,300円)を1ヵ月ごと、月初めに事務局長が本人に直接支給しています。その時に、学業状況、生活の様子などを聞き、相談にのります。不正使用にも注意を払っています。 |
|
|
|
B |
クムジュン校の遠隔地通学高校生の為の新学生寮
エベレスト街道沿いのクムジュン校(小中高)の遠隔地通学高生の為の新学生寮は、2002年3月15日より建設工事を開始。新学生寮・台所、食堂・シャワー室≪総面積193.96u≫、水道引込み600mと貯水槽の建設工事が立派に完成。総工費約510万円であった。在ネ日本大使館から外務省草の根無償資金協力を得、33,998ドル(約440万円、2,588,947.70ルピー)が支援された。2002年7月4日、建物工事完成、引渡しを行いました。エベレスト街道のモンジュ、ナムチェバザール、ターメ、クムジュン、クンデ、ポルチェ、パンボチェ等の各村の遠隔地通学生へ、並びに将来にわたる多大な教育貢献となった事でしょう。現在、ネパールの日本大使館では、優良プロジェクト一つとして位置づけられています。2005年も引き続き運営費の一部を支援しています。 |
|
☆ 2004年度クムジュン校新学生寮入寮生名簿(16名) |
|
|
氏 名 |
クラス |
出身地 |
|
1 |
Phura Doma Sherpa |
8 |
Phortse |
ポルツェ |
2 |
Lhakpa Yangjee Sherpa |
5 |
Phortse |
|
3 |
Pemba Tangma Sherpa |
8 |
Phortse |
|
4 |
Tashi Puti Sherpa |
6 |
Phortse |
|
5 |
Passang Kami Sherpa |
6 |
Gumela |
|
6 |
Tenjing Gyljen Sherpa |
8 |
Phortse |
|
7 |
Nima Tenjing Sherpa |
6 |
Thame |
|
8 |
Kalden Phura Sherpa |
10 |
Pangboche |
|
9 |
Mingma Tshering Sherpa |
7 |
Pangboche |
|
10 |
Tshering Namgya Sherpa |
6 |
Pangboche |
|
11 |
Tenjing Doma Sherpa |
8 |
Thame |
|
12 |
Passang Lhamu Sherpa |
8 |
Thame |
|
13 |
Passang Lhamu lama |
8 |
Thame |
|
14 |
Dolma Sherpa |
6 |
Thame |
|
15 |
Lhakpa Tshering Sherpa |
10 |
Phakding |
|
16 |
Song Sherpai |
10 |
Nunthala |
|
|
|
|
|
|
|
学生寮同居の教師 Padam Rajbhandori Thirtha Katiwad |
|
|
|
|
|
|
|
新学生寮運営費の一部負担 |
|
※ |
新学生寮の電気代の50%、
電気料金Rs4000/月×12ヶ月=Rs48000・・71,040円(2004.7換算レート) |
※ |
新学生寮に同居する教師2名の寄宿舎舎監費用、
Rs1000/月×= Rs12000・・17,760円(2004.7換算レート) |
|
カトマンズ支部大河原支部長より、8月12日パサンダワ事務局長へ支給 |
|
|
|
|
|
|