松本市制100周年記念 2007MHC 登山講習 晩秋の燕岳登山・紅葉と温泉 
10/13〜10/14 実施報告
 10月13日AM6:00、参加者の内12名が2台の車に乗り合わせ、松本を出発。上空は曇り。安曇野市堀金から山麓線を走り、中房温泉へ向かう蛇行する山道を走り続け、出発から1時間余で登山口駐車場に到着。ここで5名を加えて、参加者17名全員が集合する。準備を整え、AM7:45登山口を出発する。
鮮やかな紅葉の登山路を登る 木々の間から大天井岳を望む 紅葉したナナカマド
登山口からいきなりの急登路も、着実に一歩、一歩登り、高度を稼ぐ。登り30分毎の休憩場所、第一、第二、第三ベンチと小休止する。高度が上がると、霧が晴れ、青空が広がり、山々の紅葉が一段と鮮やかに輝いている。第4のベンチは、富士見ベンチと呼ばれ、この日南東の雲海上に、円錐形状の富士山を遠望する。
主稜線に続く尾根道を登る 眼下に雲海が広がる  主稜線上に槍ヶ岳を望む
AM10:45、合戦小屋に到着。ここから5分も登ると、左前方の主稜線上に、“すくっと” 伸びた槍ヶ岳が孤高の姿を覗かせた。「槍が見えるぞ!」皆歓声を上げる。しばらくの登りで主稜線に続く尾根道に出ると、眼下に、森林に覆われた有明山、北方に鹿島槍ケ岳、針ノ木岳の先鋒が現れ、南に大天井岳から東天井の雄々しい稜線が望まれる。
稜線に建つ燕山荘はもうすぐだ! 稜線から望む燕岳2763m
 PM12:00、燕山荘に到着。泊する。昼食後、PM1:05軽荷で燕岳を目指す。青空の下、秋の冷たい微風を受け、花崗岩の奇岩が林立する白砂礫の道を登る。西方に裏銀座の山々が褐色に色づく稜線を連ね、その北に立山、剣岳が北アルプスの重鎮のように聳えている。
花崗奇岩が林立する白砂礫を登る  裏銀座の山々を望む 見事燕岳山頂2763mに登頂
 PM1:35燕岳2763mに全員登頂。「おめでとう!」早速持参した“お神酒”を一口づつ飲み交わし、祝杯を上げる。空は青く広がり、真白な雲海上に、360度四方に中部山岳の全ての山々が浮かんでいる。
私達は、30分程頂上にたたずみ、その展望を楽しみ、心に刻み付けた。
PM2:30燕山荘に帰還する。午後早めの時間を利用し、食堂の一角に集まり、高山病の注意などについて20分ほど説明をする。その後は自由時間とし、参加者同士の親睦交流が夕食まで続いた。
北に北燕岳と北アの重鎮、立山・剣岳が聳える 赤沼さんより『山談話』を聞く 東の雲海上から日の出を拝す
PM7:00、燕山荘の赤沼健至社長が登山客100名程を食堂に集め、深みのある吹奏音が響くアルプホルン演奏と登山の素晴らしさを講演、PM8:10からは私達だけの為に、ワインとおつまみがテーブルに並べられ、PM9:00まで、自分の体験を通して「山の楽しみと厳しさ」についてお話をして頂いた。命がけで山を愛し、今も積極的に挑戦し続ける赤沼さんに、皆感銘を受けた次第だった。赤沼さんに心より拍手を送りたい。
遠く富士山、八ヶ岳、甲斐駒を望む 冷風に吹かれながら景観に感激
10月14日AM5:30起床。窓外は薄明るく、眺望する東の空一帯の雲海が薄紅色に照らされている。冷風に吹かれながら、AM6:00雲間から昇る日の出を拝す。朝食後、ゆったりとした時間を過ごす。熱いコーヒーを啜り眺める窓外は、真綿のような白い雲海が明るく輝き、遠くの山なみがシルエット状に浮かんでいる。
別れを惜しみながら、AM8:00燕山荘を下山する。尾根路から林の中の急坂を降り続け、AM10:55登山口へ到着。登山口脇の日帰り温泉で一汗流し、全員うどん又はそばで昼食を摂る。駐車場で5名と別れ、復路も往路と同じ道を走り、PM1:30県松本合同庁舎駐車場に到着、解散とした。
「秋色の燕岳、白い雲海と青い空、中部山岳の峰々そして麓の温泉に、芯から浸った登山だった。」