松本市制100周年記念
2007MHC登山講習「残雪の乗鞍岳(3026m)を登る」
5/3〜5/4
実施報告
5/3 AM7:30乗鞍高原三本滝へ参加者10名が集合する。天候は晴れ。準備を整え、バスの出発を待つが、ここから上部の道路凍結により、位ヶ原までの運行は中止と決まる。やむなくAM8:00過ぎ、7名が登山装備を整え、雪面を踏んで、春スキーコースを登ることとする。 | ||||
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森林帯の蛇行コースを抜け、だだっ広い雪原を進む。吹き降ろす風に向かって緩斜面を登り詰めると、PM12:30過ぎ、ようやく雪に埋まる肩ノ小屋に辿り着く。昼食を摂っている間に、上空は暗雲が流れ、雪煙が舞っている。汗ばんだ体は、一気に冷気に襲われ、体温を奪われていく。これからの行動時間と天候状況から、今日の登頂を諦め、300m程下に建つ、今日の宿位ヶ原山荘への下山を決める。 PM3:00位ヶ原山荘に到着。途中、アイゼン歩行や滑落停止を練習する。小屋に着いてしばらくすると、雪が降りはじめ、あっという間に横殴りの吹雪となる。夜半も降雪が続き、雷鳴も轟く。 | ||||
5/4AM5:00前起床、静かな朝。東の空が茜色に輝き、日の出を迎える。上空は快晴、しかし気温が低く、風が吹いている。AM7:00位ヶ原山荘の六辻(むつじ)支配人に、お礼を言って出発する。 朝陽に輝く雪面にアイゼンを効かせて登る。吹き降ろす風が雪煙を舞い上げ、時折視界を閉ざす。広い雪原の緩斜面をトラバースぎみに進み、風が吹き抜ける肩の小屋のある鞍部を避けて、頂上寄りの雪斜面を登り続ける。途中、露出した大岩を見つけ、強風を避けて、一休みする。 急斜面をジグザグに登り続け、高度を稼ぐと、ようやく雪煙舞う稜線に抜き出る。視界は効かない。頂上を目指し、風に吹き飛ばされないように、一歩一歩足元を確かめて進む。AM10:00乗鞍岳山頂3026mに見事全員登頂する。「おめでとう!」凍てついた二重手袋を握り合う。氷結した祠の脇に陣取り、風を避けて30分ほど休憩する。皆、手強かった雪山に登頂して「まるで、エベレストに登頂したみたいだなあ」と、喜びに浸る。 | ||||
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下山は、寒風の頂上稜線から、30度の急斜面を一気に下る。滑落停止の練習を繰返し、シリセードを楽しむ。30分ほどで緩斜面に着き、落ち着きを取り戻して振り返ると、頂上は白く輝き、私達の下山のシュプールが雪筋となって残っている。「皆、よかったですね」「素晴らしい登山だ!」東を望むと、厚雲に見え隠れする白銀の槍・穂高岳連峰が、厳しい姿でそそり立っている。 PM1:30三本滝に、全員無事下山。PM2:00位ヶ原山荘を経営している鈴蘭小屋に立ち寄り、乳白色の温泉風呂で汗を流し、お礼を言って、帰路に着く。 | ||||
MHC登山講習責任者 MHC理事長 鈴木雅則 | ||||